シーティング技術

“座る”を改善して活力を生む

平成会では、これから注目の個別ケア手法「シーティング」を2017年から全施設に導入し、普及を進めています。2021年4月から介護保険の報酬算定項目(施設のみ)にシーティングの取り組みが採用され、全国的にも今後の導入拡大が期待されます。

「シーティング」とは?

シーティングは、“快適に”いすに座るための支援です。
車いすやベッド上での座り方が乱れているのは、体にどこか苦痛や不安があるために、正しい姿勢を保てないからです。平成会では、視覚的に数値分析ができる体圧測定器によるシーティング技術を導入し、「座る姿勢」の改善を図り、痛みのない座り姿勢を保つことで、利用者様の快適な生活を支援しています。測定器によって体圧をビジュアル化・数値化することで、痛みの原因など、より具体的に利用者様やご家族と共通認識を持つことができ、円滑なコミュニケーションづくりの一翼を担う技術でもあります。
正確な体圧測定の結果をもとに、車いすのサイズやクッションの選択を変更したことで、座り続けられる時間が増えて、自力で食事ができる時間が長くなるという改善事例もあります。このように、平成会が大切にしている、利用者様に寄り添ったケアと食べる喜びの提供実現にとって、体圧測定器によるシーティング技術は不可欠なアイテムとなっています。

シーティング導入の効果

平成会で導入した当初は、とても姿勢の悪い座り方になっている利用者様が多い状況でした。平成会シーティングアドバイザーの木之瀬隆先生(一般社団法人 日本車椅子シーティング財団 代表/株式会社シーティング研究所 代表)から、シーティングについての講義や、平成会での実際の推進現場訪問・直接の指導などを受けてきました。それにより利用者様の姿勢の見方が大きく変わり、座ることがなぜ大切かという根拠、座り方がよくないと次の事故につながることが、職員全体に浸透してきました。シーティングによって食事のしかたが変わるなど、好転する現場を見るのがスタッフのやりがいにつながるようです。