更新日:2014.06.13
懐かしいお蚕さま ~繭までの飼育と糸取りまでを再現~
きっかけ
若い頃、長く製糸工場にお勤めされていたという94歳になられる女性のご利用者様。
繭(まゆ)を煮るときの独特な匂い等を再現し昔懐かしい時を思いおこしてほしい・・・。
さわらびに入所いただいている一人のご利用者様の思いを実現させていただくための取り組みがきっかけとなりました・・・。
シルクの街 岡谷
ご存知のように岡谷市は明治初期から日本の生糸業の一大生産地として栄えました。多くのさわらびご利用者様が製糸業に携わってこられたと思われます。
今回94歳の女性ご利用者様に向けての取り組みが発展し、市立岡谷蚕糸博物館様のご協力をいただくなか、多くのご利用者様にとって昔懐かしい場面を再現することになりました。
お蚕さまとの対面
6月9日(月) 岡谷蚕糸博物館より数百匹のお蚕さまがさわらびに届けられ、体長1センチほどのカイコ数百匹を目前にし昔ばなしに花が咲きました。
「懐かしいねー。私は桑もぎ専門だったよ」
「びくを背負って桑の葉を採りに行ったよ」
「実家で飼っていた。だから忙しくて遊びにも行けなかった・・・」
いつになく多弁で語られるご利用者様も。
言葉の端々からご苦労されてこられた昔の時代を知ることができました。
また、取組みのきっかけとなった94歳になられるご利用者様は、会話を交わすことも少ないご状態ではありますが、盛り上がる昔ばなしの輪にご一緒されて、(カイコが目前にいる)状況を察していらっしゃるようなご表情やお言葉を聞きとることができました。
博物館の林専門指導員の話だと、6月いっぱいには繭になるとのこと。たくさんの桑の葉が必要なため職員が桑の葉集めに躍起になっています。(昔はいっぱいあったようですが・・・なかなか見つかりません・・・)
繭(まゆ)になるまであと3週間ほどでしょうか・・・。繭(まゆ)になったら糸とりを行う予定です。
ご利用者様とご一緒に立派な繭(まゆ)になるシーンを心待ちにしていますよ。