災害関連死を防ぐために|過去の学びとユマニチュードで挑む福祉避難所開設訓練
9月18日(金)
岡谷市との協定に基づいた「福祉避難所開設訓練」を実施しました。
当施設では、過去の東日本大震災や令和3年8月の大雨災害における要配慮者の受け入れ経験をはじめ、令和6年能登半島地震や今年7月の熊本県地震で氷川町への職員応援派遣などにより、災害支援に関する多くの知見を積み重ねてまいりました。
今回の訓練は、これらの経験や学びを現場の実践力として還元し、有事の際の危機管理体制をいっそう強化することを目的に行われました。
今回の訓練は「長野県中南信地域を震源とする震度7の地震」および「地域一帯の停電・断水」が発生した想定のもと、2部構成で進行しました。
第1部では、自宅損壊により近隣住民3名が直接避難されてきた事態を想定しました。 本部対応では、対応状況を時系列で正確に記録・共有する「クロノロ(クロノロジー)」を導入。職員同士で迅速かつ的確な指示伝達を行う体制を整えました。 同時に、避難者の状態を丁寧に把握する受付アセスメントと、居住スペースの設営をスピーディーに並行して進めました。
第2部では発災から3日目が経過し、一次避難所から要配慮者4名が移送されてくる場面を設定しました。
・妊産婦の方への個別対応: 岡谷市との協定に基づき、高齢者だけでなく妊産婦の方の受け入れも想定。プライバシーに配慮した専用の個別スペースを確保し、看護職員による専門的なアセスメントを行いました。
・医療・介護ニーズへの対応: 要介護4の要配慮者に対しては、東日本大震災時の受け入れ経験を活かし、看護師が常駐する施設3階の静養室へ案内。身体機能に応じた電動ベッドの配置など、介護施設ならではの環境整備を実施しました。
・デイサービス利用者様のご協力: 普段デイサービスをご利用いただいている利用者様にも避難者役としてご協力いただき、より緊張感とリアリティのある現場対応訓練となりました。
訓練の中で特に重点を置いたのが、当法人が標準ケアとして導入している認知症ケア技法「ユマニチュード®」の実践です。
被災現場では、物理的な支援だけでなく、大きな不安を抱える避難者の方々の心に寄り添うケアが欠かせません。訓練中も職員が目線を合わせ、優しく語りかけながら体に触れることで、避難者役の方の不安を和らげる温かな対応を徹底しました。被災者の心情を汲み取り、傾聴する姿勢は、専門職としての大きな強みであると再確認いたしました。
災害発生時、高齢者や障がい者、妊産婦といった要配慮者の避難生活を守り、災害関連死を防ぐ「安心の砦」であり続けるために、これからも定期的な訓練や研修を通じて地域防災力の向上に努めてまいります。








